サンダヴィンチは10人単位の少人数制「私塾」である。1学年500人や1000人の美術学校とは天と地ほどの違いがある。当然のことながら教育のアプローチも根本的に異なってくる。
アートやデザインの世界では「個性」という言葉がよく使われるが、まさにアートの原点は「個」である。したがってアート教育においても、一人ひとりの資質やレベルに合わせて指導することが要求されてしかるべきだと考えている。
学校法人ではなく、卒業証書も資格も発行しない代わりに、「私塾」だから教育上良かれと思うことは、誰に遠慮することなく「独断」と「偏見」で実行に移せるメリットがある。その時々の本人の成長に合わせ指導することが可能であり、誤解をおそれず言うなれば、各人の顔色を見ながら1ヶ月単位でカリキュラムを編成することになっている。
結果としてそれがアート教育の理想のカリキュラムだと確信している。
サンダヴィンチ・ディレクター
これから先、皆さんには就職するにも留学するにも「面接試験」という関門が待ち受けている。大企業は別にして、一般的には15-30分の面談で評価が下される。 この業界では慣例としてポートフォリオ(作品集)を提示し作品の制作意図を説明する。その間、相手は限られた時間の中で単に作品の技術力や表現力を見るだけでなく、本人の説明力(プレゼン力)と”考える力”があるかを観察し、これからの3年、5年先に戦力となる人材を見極めるのである。(留学審査の場合は、本人の資質に合った進路を導いてくれる。)
ところがせっかく貴重な時間とお金を投資し専門の教育を受けたにもかかわらず、自分の希望する業界、業種に就職できる人はたったの20%ぐらいといわれている。 その理由として、関西のアートやデザイン業界も東京への一極集中にほんろうされている中で、毎年美術学校から何千人もの若者たちが社会へ出て行くが、その人数に見合うだけの受け皿がないというのが現実だからだ。
1、作品の完成度よりも制作過程を重視することにより、技術力よりも思考力に軸足をおいたポートフォリオ制作。 2、作品の意図を説明する訓練をすることにより、ディベート力、コミュニケーション力を高める。 サンダヴィンチの教育メソッドはこの2つに集約している。これにより、ポートフォリオの充実とプレゼンテーション能力を高め、難関である面接試験を突破しようというのが狙いである。
専門学校は2年、大学ではなんと4年間もじっくり腰をすえて学べる。 言いかえれば単位を取得し卒業資格を手に入れるために必要な期間である。 サンダヴィンチや社会人学校の多くは一年以内の学習期間であり、働きながら限られた時間と費用の中で一定の成果を上げる仕組みとなっている。何を学ぶのかという目的、目標が明快であれば1年もあれば充分だ。
アートやデザインは実力を評価される世界であり、本来資格とは無縁である。もちろんサンダヴィンチも資格を与えることはできないし、塾生のほとんどは自分で貯めたお金か、働きながら得るお金を授業料として払うので必死である。だから1時間当たりのコストパフォーマンスをシビアに計算し、学ぶべき対象を絞り成果を求めてくる。結果としてハングリーな環境を生み出している。
そこに必然として「やる気」が起こる。社会へ出たとき、また留学審査のとき、このやる気、情熱の有り無しが評価を左右することになる。要はいくら技能が良くてもそれだけではプロは評価しないということ。